「正しい」ライティングに迷ったら。そんなときにオススメしたい1冊
「正しい」文章ってどうやって書くんだろう…
ホームページの作成依頼を受けるとき、「文章も確認してほしいんです」とお願いされることがあります。
文章って、誰でもそれなりに書けるかもしれませんが、「正しい」文章を書いているかと言われると自信がない方も多いのではないでしょうか。
私もその1人です。
「正しい文章」=「誰にでも適切に伝わる文章」を書くために
今回ご紹介するのはこの1冊です。
「令和時代の公用文 書き方のルール」小田 順子 著
公用文とは、官公庁で作成する文章のこと。
「いや、私の書く文章は官公庁で使わないから」と思った方もいるかもしれません。
でも、もしあなたが文章を書くことがあるのなら、ぜひおすすめしたい1冊です。
私から見たおすすめポイントは次の3つです!
【おすすめポイント1】公用文って1種類じゃない!
公用文って例えば憲法や法律みたいに、とにかく難しい単語が多くて、漢字も多くて、専門家じゃないと理解できない文章ばかりと思いませんか?
実は、公用文には3種類あって、日常的に文章を使う私たちが参考にしたいのは「広報文」と呼ばれる文章の作り方です。
「広報文」は市政だよりやホームページのような、専門家ではない一般の方々へ向けて書く文章のこと。
一般の人々に普段から馴染みのある文章の書き方、と言い換えることもできます。
つまり、ホームページやチラシで文章を作るときには、この「広報文」の作り方を踏まえて作成したほうが、読む人々に受け入れられやすいということです。
【おすすめポイント2】なぜこの書き方が良いのか、明確なルールがわかる
この本のベースになっているのが、国語審議会が公用文の書き方としてまとめた「報告書2021」。実に70年ぶりの改訂というのも驚きです。
この報告書に従って、仮名や漢字の使い方、ローマ字の綴り方、文章の構成などにまで解説がされています。
普段はあまりクローズアップされない「!」「?」の使い方まで、とても丁寧に解説されていて、豆知識としても楽しく読むことができます。
もし、自分が書いている文章が「正しい」文章なのかチェックしたい時に、ぜひ参考にしてみてください。
きっと答えが見つかるはずです。
【おすすめポイント3】「〜について」を多用してないですか?
この本ではたくさんの驚きと発見がありましたが、その中でもご紹介したいのが、見出しでよく見る「〜について」の使い方です。
どうしても「〜について」は便利なので多く使いがちなのですが、示している内容があいまいでわかりづらいと指摘されています。
そのため、広報文では「〜について」と標題をつけることが少ないと解説されていました。
確かに、「〜について」でまとめたような気分になっているだけで、実際は書いている本人もその内容を深掘りしてない、よくわかっていないというパターンもありますよね。
受け手も漠然としたイメージしか得られないので、「具体的にどんな話題なんだろう?」と不安を感じることもあるかもしれません。
ちなみに、広報文の見出しは「〜について」の替わりに、例えば「〜を開催します」と動詞で言い切る形に変更されているそうです。
今日のひとこと
読み手に合わせて書く
多くの文章作成のポイントが解説されていますが、根本にあるのはこれだと思います。
どんな文章も独りよがりにならずに、誰かに伝わるように書く。
そういう意識を持って、これからも自分の書くものと向き合っていきたいと思います。
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