紅茶をもっと美味しく飲みたい人へおすすめの1冊
こんにちは。
最近、すっかり寒くなって、温かい飲み物が美味しい季節になりました。
私は、寒い季節になると紅茶を飲みたくなります。
(暑い季節はコーヒー派なのですが)
普段はティーパックで簡単に淹れてしまうのですが、ある日ふと思い立ってティーポットを使ってみたら、味の違いにびっくりしました。
もしかしたら、ちょっとしたことで、もっと美味しく紅茶を飲めるコツがあるのかな?
そういえば、あまり紅茶のことって知らないな。
そう思って読んでみた本が、今回ご紹介する1冊です。
もともと紅茶がお好きな方はもちろんのこと、あまり知らないけど興味はあるという方にも、おすすめの1冊です。
「MUSICA TEAに教わる 紅茶の楽しみ方」MUSICA TEA監修
「MUSICA TEA(ムジカティー)」は、大阪市と兵庫県芦屋市にある紅茶のお店です。
今回、私がいいなと思ったポイントを3つご紹介していきます。
【この本のおすすめポイント1】紅茶に関することが一通りまとめられている
この本では、
・おいしい紅茶の淹れ方
・茶葉の産地と特徴
・茶葉の選び方
など、紅茶にまつわる基礎知識が一通り解説されています。
そう書くと、ちょっと堅苦しい本なのかなと思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
たとえば、「おいしい紅茶を淹れましょう」という章では、紅茶の淹れ方が種類ごとに説明されています。
・ティーパックで
・ミルクティー
・アイスティー
・チャイ
ティーパックでの淹れ方まで触れられていて、紅茶を気軽に楽しみたい時にはぴったりだなと思いました。
ちなみに、お茶の淹れ方で、私が初めて知ったのは、「水は汲みたての水道水を使う」ということです。
汲みたての水道水には酸素が多く含まれており、茶葉の本来の香織と味を抽出することができるのだそう。
「茶葉の産地と特徴」では、世界のさまざまな紅茶産地が紹介されています。
産地と採取される茶葉の種類は、
・インド:ダージリン、アッサム、ニルギリ、シッキム
・スリランカ:ウヴァ、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ルフナ、ウダプセラワ、カーカスウォード、サバラガムワ
・中国:キーマン、ラプサンスーチョン、ライチティー、ローズコングー
など。
他にも、ネパール、アフリカ、バングラディシュ、インドネシア、台湾、トルコなどの紅茶が紹介されていました。
日本でも明治初期から紅茶が栽培されています。
一例として、大分県の杵築紅茶と鹿児島県のねじめ茶寮の紅茶作りの取り組みが取材されていました。
「茶葉の選び方」では、茶葉のさまざまな種類が解説されています。
私が面白いと思ったのは、「季節で選ぶ」方法です。
・ファーストフラッシュ:春に摘まれる茶葉
・セカンドフラッシュ:初夏に摘まれる茶葉
・オータムナル:秋に摘まれる茶葉
と、収穫時期によって茶葉の名前が変わるとのこと。
ダージリンの場合、それぞれ
・ファーストフラッシュ:若々しい爽やかな香り
・セカンドフラッシュ:フルーティでウッディの香り
・オータムナル:ウッディで穏やかな香り
がするそうです。
本では水色(お茶の色)の画像が載っていて、よりそれぞれの違いがわかるようになっています。
【この本のおすすめポイント2】紅茶に関する歴史がよくわかる
2つ目のおすすめポイントは、紅茶に関する歴史がまとめられている点です。
中国では、1世紀ころに書かれた「神農本草経」に、お茶の記述が残っています。
ヨーロッパでお茶が飲まれはじめたのは17世紀ころとのこと。(ちなみに最初は緑茶が飲まれていたようです)
この本では、ヨーロッパで紅茶を広めるきっかけとなった人物にもスポットが当てられていました。
簡単にまとめてご紹介します。
・キャサリン王妃:イギリスでお茶の文化を広めた方です。
ポルトガルからイギリスのチャールズ2世に嫁いできた彼女は、「ティー・ドリンキング・クィーン(お茶好き王妃)」と呼ばれるほど、お茶好きだったとか。
お客さまを招いてお茶会を開き、喫茶の文化を上流階級の貴族に広めました。
・ベットフォード侯爵夫人:アフタヌーンティー(紅茶にサンドイッチ、スコーン、ケーキなどのティーフードを楽しむこと)を確立させた方です。
当時は、夕食時が20時ごろからだったため、空腹を感じる16時ころにアフタヌーンティーを始めたのだそう。
・ジェームズ・テーラー:スリランカで紅茶の栽培をすすめた方です。「セイロン紅茶の父」とも呼ばれています。
・トーマス・リプトン:同じく、スリランカでアッサム茶の栽培を手がけ、紅茶ブランド「リプトン」に名が残っています。
また、日本での紅茶の歴史や、創立70年を迎えたMUSICA TEAのことも当時の写真つきで紹介されていました。
個人的に驚いたことは、日本でチャイを始めたのがMUSICA TEAだったということ。
スパイスの香りが好きで、チャイも大好きな私なので、いつかMUSICA TEAのチャイも飲んでみたいなと思いました。
【この本のおすすめポイント3】装丁・挿絵の雰囲気が楽しい
最後のおすすめポイントは、全体にわたって描かれている挿絵の雰囲気がとても素敵なところです。
表紙にもその雰囲気が出ていますが、どこかエキゾチックな、懐かしいような、アフリカンな感じもして素朴な感じが気に入っています。
こちらを描いているのは、壁画作家の今川咲恵さん。
MUSICA TEA芦屋本店のシャッターにも彼女の作品を見ることができるそう。
また、紅茶の写真などもとても美しく、また美味しそうなものばかり。
全体を通して、ページをめくるのがワクワクする1冊です。
最後に:お茶の時間をもっと楽しく
ここまで、「MUSICA TEAに教わる紅茶の楽しみ方」という本をご紹介してきました。
本そのものはあまり文章量も多くなく、短時間で読み切ることができます。
ですが、紅茶に関することは大体書かれているのではないかと思います。
ここで紹介した内容以外にも、お茶のお供にぴったりなスコーンなどのレシピや茶器のことなど、美しい写真と一緒に楽しめる話題もたくさんあります。
ぜひ、この本でお茶の時間を楽しんでみてください。
MUSICA TEAのホームページもご紹介しておきます。
オンラインショップだけではなく。それぞれの実店舗の様子も見ることができました。
ここまでご覧くださりありがとうございました。
これからもおすすめの本や美術展などをご紹介していきたいと思っています。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。