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ママwebデザイナーの読書記録

 

webデザインの学習に参考になる本、仕事や自分自身を見直すヒントになる本をご紹介しています。  
美しいものが好きなので、展覧会や映画の感想も時々お届けしています。

【イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル】に行ってきました!

こんにちは、すっかり秋晴れのすごしやすい季節になりましたね。

今回は展覧会のご紹介です。

イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル】

現在、六本木の国立新美術館で開催中の「イヴ・サンローラン展」。

今回はこちらの見どころを3点ご紹介していきます。

 

イヴ・サンローラン展の見どころ①】1950年代から現代までのYSLファッションがすべてわかる!

イヴ・サンローランがファッション界に登場したのは1958年。

ディオールの急死を受けて、ディオールブランドを引き継いだ形でのデビューでした。

その時発表した「トラペーズライン」で広く知られることになりましたが、その後アルジェリア独立戦争に徴兵されたり、コレクションが不評だったりで、ディオールを辞めることになります。

 

1961年に「イヴ・サンローラン」を立ち上げ、次の年の62年に、初めてのオートクチュールコレクションを発表します。

今回の展覧会では、最初のオートクチュールコレクションから、2002年に彼が引退をするまでの、さまざまなコレクションがキーワードごとに展示されていました。

 

たとえば「アイコニックな作品」のコーナーでは、イヴ・サンローランの代表的なスタイルである、

・タキシード

・ジャンプスーツ

・サファリスーツ

・イヴニング(ガウン、アンサンブルなど)

などが、スタイルごとに展示。

 

時代ごとにフォーカスせずに展示をしていることによって、イヴ・サンローランがデザイナー人生を通してどのようなファッションを生み出してきたのか、がよくわかる展覧会になっていると感じます。

 

イヴ・サンローラン展の見どころ②】イヴ・サンローランの「アート」「ファッション」「外国」への愛情がよくわかる!

今回の展覧会で、イヴ・サンローランの知識の広さと、それに対する愛情を強く感じることができました。

 

1)「アート」への愛情

イヴ・サンローランといえば、今回のポスターにもなっている「ドレス・モンドリアン」が有名でしょう。

モンドリアンの絵画のシンプルさとシルエットの直線性が美しいハーモニーのようで、本当に美しい作品だと思います。

 

ところで、イヴ・サンローランが「一番親しみを感じていたアーティスト」は誰か、ご存知ですか?

私は今回の展覧会で初めて知ったのですが、それはピカソだったそうです。

ピカソについて、イヴはこのように述べています。

ピカソはその純烈な形態にかけて天才である。それは生命と率直さの爆発である。」と。

ピカソ以外にも、ジョルジュ・ブラックヴィンセント・ファン・ゴッホアンリ・マティスポップアートなどへのオマージュとしてコレクションを展開しています。

ドレスーーーパブロ・ピカソへのオマージュ

ウェディング・ガウンーーージョルジュ・ブラックへのオマージュ

それぞれのアーティストやアートのスタイルを壊すことなく、ファッションとして見事に取り入れられています。

 

2)「ファッション」への愛情

展覧会の中盤ほどにある、「服飾の歴史」というセクション。

ここでは、古代ローマからイヴ・サンローランが始まった1950年代くらいまでの西洋ファッションをモチーフにした作品が展示されています。

古代ローマドガや、19世紀に流行したバッスル・スタイルなど、見ているうちに、まさに「服飾の歴史」を見ているように思えてきました。

 

ここでも、イヴ・サンローランがファッションの歴史をよく知り、愛情や尊敬の気持ちを持って接していたことが、数々のファッションから感じることができます。

 

3)「外国」への愛情

20世紀後半では、たびたびファッション界に「異国情緒」が流行しました。

イヴ・サンローランもその1人で、コレクションにはさまざまな地域の土着的なファッションモチーフが登場しています。

 

ただ、イヴ・サンローラン本人はあまり旅が好きではなかったようで、「想像上の旅」とセクション名がついていました。

ここでは、

・中国

・日本

・ロシア

・モロッコ

・アフリカ

・スペイン

などの地域の伝統的な衣装からインスピレーションを得た作品が展示されています。

 

私が、特に感動したのはアフリカのファッションでした。

木のビーズやワラなどの草素材などをふんだんに使ったファッションで、まるでアフリカにいるような感じを受けました。

また、「オートクチュール」という高級服飾の世界で、安価な素材をあえて使ったことを考えると、とても挑戦的なコレクションだったのかなとも思います。

 

「アート」「ファッション」「外国」……どのモチーフであっても、イヴ・サンローランのファッションの中で、その個性を生き生きと感じることができます。

それだけ、イヴ・サンローラン自身が、それぞれのモチーフに愛情を持ち、大切に使っていたのかなと、今回の展示を見ながら思いました。

 

イヴ・サンローラン展の見どころ③】イヴ・サンローランの「赤」

最後は、かなり私の個人的な印象なのですが、ご紹介しておきます。

 

今回の展覧会では、イヴ・サンローランが描いたイラストも多く展示されていました。

・幼少期の本「愛について語るのはなぜ?」

・デザインのスケッチ

・仕様書「バイブル・ページ」

など、彼独特のイラストや筆跡を見ることができます。

 

その中で、黒の鉛筆だけで描いているものが多いのですが、何点かポイントに赤鉛筆で描き込まれているものがありました。

私たちが普段使っている赤鉛筆のように、「ここが大切」というチェックの意味あいもあるのだろうと思います。

しかし、それだけではなく、ファッションのワンポイント・アクセントとして赤が入れられているようにも見えました。

 

ポスターにもなっている「ドレス・モンドリアン」も、赤のバランスが絶妙ですよね。

ぜひ、実際に作品を見て、イヴ・サンローランの「赤」を楽しんでいただけたらいいなと思います。

 

おまけ:イヴ・サンローラン展を支えている「職人」にも思いをはせつつ……

どのファッションも完璧に展示されていた今回の「イヴ・サンローラン展」。

ドレスのすそが床に広がっているさまも、とても美しい。

 

今回の展覧会で、まず「職人技」を感じたのは、これらのファッションを完璧にマネキンに着せた「着付け」の方々です。

スカートのひだ1つ1つも丁寧に折られ、しつけられ、本当に美しいと思いました。

 

また、今回の展覧会は娘と行ったのですが、彼女が購入した「音声ガイド」。

今回は、声優・俳優として大活躍の津田健次郎さんがナレーションを担当されています。

本当に「イケボ」だったようで、展覧会を別な角度で楽しめたようです。

 

あと2ヶ月ほど開催していますので、秋のお出かけにぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

ysl2023.jp

ホームページも素敵なので、ぜひご覧ください!

 

そういえば、今年のディオールコレクションは、イヴ・サンローランをオマージュしていたんですね!

www.vogue.co.jp

 

ここまでご覧くださり、ありがとうございました!