202303大阪・京都旅行その4「リュイユ展」へ行ってきました!
1泊2日で大阪〜京都の美術館巡りで感じたことを、何回かに分けてお届けしています。
今回が最終回です。
「リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」
リュイユとは、フィンランドのテキスタイルで、16世紀ころには作られ始めたと言われています。
今回は、私が感じたリュイユの魅力を3つのキーワードでお伝えします。
【キーワードその1】並置混色の効果
リュイユで使用されている色糸は本当に多く、数えたら100種類とかありそうです。
ひとつのブロックの中にさまざまな色糸が埋め込まれていますが、遠くからでは複数の色糸が1つの色として見えています。
このような混色は色彩の用語で「並置混色」と呼ばれ、絵の具と違い混色しても暗くなりません。
そのため、多くの色を使用していても、リュイユは光を帯びたような明るい色彩を保っています。
【キーワードその2】フィンランドの自然を感じるおおらかさ
リュイユの魅力は、「複雑に構成された色彩の表現」(パンフレットから引用)
まさにその通りで、近くで見るとその複雑さに驚かされます。
そして、作品を全体から見たときには、大胆さというかおおらかさを感じる作品が多かったように思います。
自然そのものを描いている作品ばかりではないのですが、何となくフィンランドの風土というか自然をイメージさせるような感じがしました。
【キーワードその3】現代のものはアーティスティック
リュイユは時代と共に変化し、近年のものは昔よりも小さい作品も増えたとのこと。
よく見ると、糸だけではなく、アクリルの透明の棒も縫い付けられています。
リュイユがただのテキスタイルではなく、作家の個性や想いを表現する存在になったと言えるでしょう。
現在では、作家が自ら織りまで手がけることも多くなったということなので、リュイユはこれからはアートとしての価値が高まっていくのではないかと思います。
今日のひとこと
趣味の良い生活と、自ら作る喜び
今回の展覧会のパンフレットからの引用です。
1879年に設立されたフィンランド手工芸友の会は、家庭用の制作キットを作ることで、リュイユを一般家庭まで広めていきました。
リュイユを作る技術が一般家庭にまで届けられることで、リュイユはより多くの人の感性で作られるようになります。
フィンランドという国が、リュイユを「自国のテキスタイル」として大切にしてきた歴史を感じました。
ぜひフィンランドの雰囲気を感じに、足を運んでみてください。
前回ご紹介したこちらと同じ会場です。
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