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ママwebデザイナーの読書記録

 

webデザインの学習に参考になる本、仕事や自分自身を見直すヒントになる本をご紹介しています。  
美しいものが好きなので、展覧会や映画の感想も時々お届けしています。

202303大阪・京都旅行その3「甲斐荘楠音の全貌展」へ行ってきました!

1泊2日で大阪〜京都の美術館巡りで感じたことを、何回かに分けてお届けしています。

3回目は、京都国立近代美術館で開催中の「甲斐荘楠音の全貌展」をご紹介します。

「甲斐荘楠音の全貌展」

彼の作品をしっかり見るのは、今回が初めて。

この展覧会で感じたことを、3つのキーワードにしてご紹介します。

(ちなみに「かいのしょう ただおと」と読みます)。

 

【キーワードその1】肌香

彼の絵画を見ると、境界線に違和感を感じるのではないでしょうか。

ぼやけているというか、オーラみたいなものが出ているというか、そんな不思議な感じが漂っています。

キーワードにある「肌香」というコトバは、甲斐荘自身が使用していたもの。

境界線に漂うもやは、これを表現しようとした結果なのかなと思いました。

見ていると香りだったり、影だったり、色々なものに想像されて、絵の中に引き込まれていきます。

 

【キーワードその2】歌舞伎への観察力

彼は幼少期より、歌舞伎が好きで舞台に足繁く通っていたそうです。

歌舞伎関連のスケッチも数多く展示されていました。

スケッチと聞くと、役者の表情や衣装のイラストがイメージされますが、彼の観察力はもっと細部にまでこらされています。

あるスケッチでは、ひとつの動きが3コマくらいに分かれて描かれていました。

役者が動きの中で作る「ちょっとした間」を見逃さず、描いていたのです。

この観察力が、彼の作品の独特な生々しさを作っているのかもしれません。

 

【キーワードその3】衣装デザインは大胆でモダン

彼は時代劇の時代考証や衣装デザインとして活躍しました。

衣装は「旗本退屈男」など主役の男性のものがほとんど。

主役らしく金銀糸を惜しみなく使い、織りで模様を出している上に刺繍があったり染めがあったりと、とても豪華。

その大胆さは、歌舞伎で見てきた文様からインスピレーションを得ているものが多いと思います。

ただ、大胆さの中にも刺繍などが丁寧に刺されていて、彼の絵画で感じた繊細さがちょっと見える感じもしました。

 

今日のひとこと

絵画、演劇、映画を超越する個性

今回の展覧会のキャッチコピーです。

絵画と演劇、そして映画に共通するテーマは「装う」。

彼自身、女装した写真が多く残っており、「装う」ということに強いこだわりを持っていたと思います。

着物などは、実物を見ると質感などのリアルさがよく感じられます。

ぜひ甲斐荘の不思議な「肌香」を感じてみてください。

www.momak.go.jp

 

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