空想好きさんへおすすめしたい1冊
時々ふと読みたくなる1冊です。
「じつは、わたくしこういうものです」クラフト・エヴィング商會 坂本 真典 写真
クラフト・エヴィング商會とは、吉田篤弘さんと吉田浩美さんのユニットで、文章やイラスト・装丁まで手掛けています。
ちなみに「クラフト・エヴィング商會」は明治30年に創業し篤弘、浩美は3代目にあたるという設定で、さまざまな空想の世界が展開されていきます。
今回はこちらの本を、3つのおすすめポイントでご紹介していきます。
【おすすめポイントその1】装丁の美しさ
表紙の写真からも感じられる通り、開く前からデザインの美しさを感じられます。
紙の質感や文字の色・フォントなどから、独特の空気感が伝わってきます。
ぜひ手に取って、本のたたずまいを感じてみてください。
【おすすめポイントその2】不思議な世界観
この本は、自分の仕事を紹介する「自分語り」の形式で進んでいきます。
どの方も淡々と話しているのですが、その職業はとても不思議なものばかり。
「月光密売人」「秒針音楽師」「果実勘定士」「白シャツ工房」などなど…
どの職業も最初は「どんな職業なの?」「そんな職業ありえる?」と思うのですが、それが読んでいくにつれ、説得力が出てくるのも不思議なところです。
私が好きなのは「シチュー当番」。
図書館と関連する職業で、「こんな仕事ができたらいいなぁ」と今でもちょっと思ってしまいます。
【おすすめポイントその3】写真が素敵
それぞれの「自分語り」に添えられている多くの写真。
ご本人のポートレートや仕事で使う道具などが写されています。
道具はひとつひとつが丁寧に作られていて、実際に使われていそうな感じがします。
また、ポートレートはすべてモノクロで、職業人としての人となりが見えてくるようで、より現実感が増してきます。
どの写真もとても凛としているというか、たたずまいが素敵です。
巻末には、それぞれの職業人になりきった方々の「本当の」姿が紹介されています。
作家の小川洋子さんもその中のおひとりで、ある職業人に変身して登場されていました。
今日の引用ひとこと
「いま、語り明かされる、知られざる「わたくし」たちの物語。」
ちょっと心がざわざわしている時に読むと、とても落ち着く1冊です。
すべて話し言葉で読みやすいので、ぜひ手に取って読んでみてください。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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