「芳幾・芳年ー国芳門下の2大ライバル展」へ行ってきました!
そろそろ一時閉館になります。
今回は美術展のご紹介です。
「芳幾・芳年ー国芳門下の2大ライバル展」」
落合芳幾と月岡芳年、2人とも江戸の幕末期から明治にかけて活躍した画家です。
歌川国芳を師匠に持ち、協力したりケンカしたりしながら自身の立ち位置を見つけていきました。
今回はこちらの美術展の見どころを3つご紹介していきます。
【見どころその1】芳幾と芳年のテイストの違いがよくわかる
「器用だが覇気のない芳幾と、覇気はあるが不器用な芳年。」
師匠である国芳からの評価です。
今回の美術展では、タイトルにもあるように2人の違いをわかりやすく見せるように作られています。
2人の画風の違いがよく現れていて面白かったのが、明治期の新聞。
芳幾は「東京日日新聞」で、芳年は「郵便報知新聞」で新聞錦絵を手掛けています。
芳幾は見出しに天使などを描いて、近代風のアレンジをしています。
対して芳年は、一見すると江戸時代に描かれたのかな?と思ってしまうような作風。
器用に時代を取り込んでいく芳幾と、自分の画風を追求していく芳年。
当時は芳幾が人気でしたが、現在では芳年のほうがよく知られていることも、2人の求めたものの違いを表しているような気がします。
【見どころその2】師匠の歌川国芳の作品も見られる
歌川国芳といえば、幽霊やドクロなど、おどろおどろしい作品が有名ですね。
その一方で、芳幾や芳年など、多くの弟子を育てました。
彼の作品も今回の美術展で展示されているので、芳幾や芳年が師匠のどんな部分を引き継いでいったのか、考えながら見るのも楽しいと思います。
また、明治期の画家の作品も何点か展示がありました。
明治期の横浜開港の様子を描いたものもあり、明治期の慌ただしさが絵から伝わってきます。
私は小林清親が好きなので、彼の作品に出会えて嬉しかったです。
【見どころその3】三菱一号館美術館に年内に入れるラストチャンス
この美術展は9日に終了するのですが、そこから三菱一号館美術館はメンテナンスのため、一時閉館となります。
以前のブログでも書いたのですが、私は三菱一号館美術館の建物そのものが好きなので、本当にさびしい気持ちでいっぱいです。
2024年の秋ごろには開館するとのことなので、それまで気長に待ちたいと思います。
今日の感想ひとこと
幕末から明治の変化は尋常じゃない
今日は私の感想をひとこと。
幕末から明治初期の絵を見ていると、服装とか建築とか、かな文字の使い方まで、よくこんな短期間でここまで変わったなと感心してしまいます。
美術展には多くの人が来館していましたが、幕末期の混乱と現在の混沌を重ね合わせて見ている人も多いのではないかなと思いました。
三菱一号館美術館に関して書いたブログはこちらです。
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